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気をつけたい通関

 関税定率法で輸入が禁止されている物品には、次の5つの分野のものがあります。

1 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤及びあへん吸煙具

2 けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品

3 貨幣、紙幣、銀行券又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード

4 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品

5 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品

 これらのうち、麻薬、覚せい剤等、けん銃等、偽造通貨等及び特許権等を侵害する物品については、税関長は、その物品を没収して廃棄するか又はその輸入者に積戻しを命ずることができます。(なお、特許権等を侵害する物品と思われる物品については、その旨を権利者及び輸入者に通知し、権利を侵害するか否かを認定する手続をとることとなっています。)
 また、公安又は風俗を害する物品と認められるものについては、その旨を輸入者に通知することになっています。

 このほか、関税定率法以外の法律、例えば、植物防疫法や家畜伝染病予防法においても輸入が禁止されている物品がありますので、注意が必要です。
(関税法第70条、関税定率法第21条〜第21条の5)

 特に近年、注意をして頂きたいのが、上記5番目の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品です。

 詳しく紹介しますと・・・

 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品(以下「知的財産権侵害物品」という。)とは、一般に、知的財産権の権利者から承諾を得ないで製造された物品(いわゆるニセ物)などをいいます。
 関税定率法第21条は、知的財産権侵害物品は輸入してはならないと規定しており、税関では、この規定に基づいて、水際で知的財産権侵害物品の取締りを行っています。
ただし、その物品が、権利者から輸入の許諾を得たもの、商標権等の侵害とならない並行輸入品であるものなどは、知的財産権侵害物品とはならないので輸入することができます。
(関税定率法第21条)

 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権の権利者は、税関長に対し、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合には、侵害物品か否かを認定するための手続をとるよう申し立てることができます。ただし、税関において、権利者が提出した証拠等を審査し、侵害の事実を確認できない場合などには、その申立ては受理されないことがあります。
 税関長は、輸入されようとする貨物のうちに、当該受理した輸入差止申立ての対象と思われる貨物を発見した場合には、その貨物について認定手続を開始し、その旨を権利者及び輸入者に通知します。この場合、権利者に対しては輸入者及び輸出者の名称及び住所並びに貨物の表示等から判明する範囲内で製造者の名称又は住所を併せて通知します。
 税関長は、認定手続が終了するまでの間に輸入者が被るおそれのある損害(逸失利益、倉庫保管料等)の賠償を担保するため、必要に応じて、申立人に対し、相当と認める額の金銭を供託するよう命令することができます。この命令に従わない場合には、税関長は、認定手続を取り止めて輸入を許可する場合があります。
 認定手続を終了したときは、認定結果を権利者及び輸入者に通知し、申立人の権利を侵害すると認定した場合には、その貨物を没収するか又はその輸入者に積戻しを命じることができます(ただし、商標権を侵害する物品については、積戻しは認められません。)。
(関税定率法第21条の2〜第21条の5)

 特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する物品については、認定手続開始後20執務日(行政機関の休日を含まずに数えた日数です。)を経過したときは、他の要件が整っていれば、輸入者の申請により、担保の提供を条件として、認定手続を取り止めて輸入を許可します。この場合には、その物品が侵害品であったときに権利者が損害賠償請求等を行えるよう、権利者に輸入者の氏名又は名称及び住所が通知されます。
 なお、上記の期間中に権利者から申請があったときは、税関は、特許権の技術的範囲等について特許庁の意見を照会します。特許庁は30日以内に回答することとなっており、税関はその意見を参考にして、認定を行います。この間、輸入者は認定手続取止めの申請を行うことはできませんが、特許庁による回答があってから10日を経過したときは申請を行うことができます。

 回路配置利用権の権利者は、税関長に対し、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合には、侵害物品か否かを認定するための手続が効果的に行われるように情報提供をすることができます。ただし、税関において、権利者が提出した証拠等を審査し、侵害の事実を確認できない場合などには、その情報提供は受理されないことがあります。税関長は、輸入されようとする貨物のうちに、当該受理した情報提供の対象と思われる貨物を発見した場合には、その貨物について認定手続を開始し、その旨を権利者及び輸入者に通知します。 なお、認定手続が終了したときは、認定結果を権利者及び輸入者に通知し、侵害物品に該当すると認定した場合には、その貨物を没収するか又はその輸入者に積戻しを命じることができます。 (関税定率法第21条) 

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